ふみもと子供将棋教室
あの藤井聡太先生が通っていた将棋教室です。
※暁将棋部屋第二号より転載。
学校の勉強も将棋も通じるものがあると思います。
文本先生の許可を得ております。
ふみもと子供将棋教室のブログはこちら

今日は、藤井聡太先生のことも
お聞きしたいのですが、
私は学習塾をしているので、
文本先生が子供たちとどう接しておられるのか、
子供達の能力をどうやって引き出しておられるのか、
そういった点も知りたくて
お邪魔させていただきました。

まあ、おそらくですね。他の教室と違う点はですね。
和室でやってますのでね、
みんな正座が基本でその正座でするということと、
ちょっと厳しいんですよ、うちの教室は。

廊下で正座といったこともあるそうですね。

割と叱ったりね。
本来、親がするようなことをなぜかやっているんですよ。
そんな感じのところなんで。
あとで池田先生が見えますけれども、
この先生もね熱血漢で。

お二人とも、
穏やかになられたのでしょうか?

池田先生は物凄く激しかったんです(笑)。

注意しないといけない時も、おありでしょうね。

そういう点ではね、他の教室と違うところかなあと思います。

今と以前で変わられた点はおありでしょうか?

藤井聡太が来ている時はね、「ゆとり」というか、将棋の学習だけじゃなくて、授業が終わると、みんなでトランプをやったり、歌を歌ったり、皆で終わりの挨拶をしてからプロレスに興じたり。

楽しそうですね。

ガラスを割られたこともあって。家を壊されちゃもたんなあ(笑)と。今は全然そんな余裕はなくて、人数的にも。将棋の授業一本で。当時と比べると今は、人数も増えましたしね。

藤井先生の影響もおありなのでしょうね。

聡太の時はね、この六畳一間でね、十分だった。

そうすると10人くらいだったのでしょうか?

せいぜいね。
6人とか8人とか、少なかったんです。
今は台所のある部屋まで、
もう入らないぐらいまでになって。
そうするとお遊戯的な事も全然やれない感じで。
結構、昔は面白かったんじゃないかなと。

「キャッキャいって」で

そうですね、わりとね。
授業中は厳しめに、遊ぶ時は緩めに。

メリハリなのですね。

まあ2時間、3時間近くね、
将棋の学習に打ち込んでいると、
やっぱり子供やでね
「ムズムズ」というのは、
あるんだろうけども。
プロレスなんかもね、
まあ許容してたと言うか、
親が迎えに来るまで、
楽しそうにしていましたね。
聡太と颯佑(りゅうすけ)と和貴がいてね。

同い年くらいですか?

和貴は4学年上なんですよ。
やっぱり力があるもんでね。
二人ともこてんこてんにやられとった。

私の塾のことで恐縮なのですが、
全然勉強しようとしない子に、
帰ってもらったことがあるのですが、
そのようなことはおありでしょうか?

ありますよ。

文本先生のところでもそうなのですね。

ウチは「やる気のある者だけ来てくれ」って言っています。
やる気のない子だったり、遊びで来ている子は、
「遊びで、出来るところはいっぱいあるから、そっちへ行きなさい」とそういうふうにやってますよ。
一人ね、ふざけて遊び回ってやってる子がいるとね、
周りに影響しちゃうもんでね。
一個腐ったミカンがあるとね、
周りもね腐ってちゃうもんでね。
だからね、申し訳ないけれどね、
他で出来るで、そっち行ったほうがいいと。
だから、やる気のある子とか
将棋が好きな子が集まっていると思いますね。

今日お聞きして、厳しい面も必要なんだなぁ、と感じました。

池田先生は、
マナーや行儀に厳しいですからね。

私も今日は怒られないよう、
気をつけます(笑)。

いえいえとんでもない(笑)

将棋教室について教えていただけますか?

月・水・土にやっています。
「この曜日」と決めてもらって
将棋が大好きで、
やる気のある子は、
週2回来たり3回来たり。
そんな感じで。

文本先生は、
ブログをとてもこまめに書かれていますけれども、
励みにしている子がいますか?

いると思うんですけれどね。
要望はないけどね、
読む子は楽しみにしていると思うけれどね。
対局の星表とかね。
遅筆で時間がかかってね、
一時間とか二時間ね。
書きたいことは
いっぱいあるんですけれども。
時間がとにかくかかるもんで(笑)。

生徒さんは、どういった経緯で
教室に来られることが
多いのでしょうか?

やっぱりね、ブログが作れたおかげで随分で違いましたね。
見て来られる方がアクセスとかね。
あとね、そういった生徒との連絡とかもあるし、
それまでは全然使ってなかったですから。
生徒も一向に増えなかったですし。

藤井先生が通っておられた場所ですし、
この瀬戸市周辺で
「将棋を指そうかな?」という子供さんは
ふみもと教室に習いに来ますよね。
メッカですからね。

なかには「もう満員でとても入れない」と
思われている親御さんもいるそうですけれども。

指導方法について
お教えいただけますか?

教材は『駒落ち定跡書』になっているので、
その480ページをみんなに覚えてもらういうのが最初で。
その次が『羽生の頭脳』という
一般戦法になるんですけも。

どちらも内容の充実した本ですよね。
写真左:所司和晴七段著
『駒落ち定跡-八枚落ちから香落ちまで』
写真右:その『駒落ち定跡』を開けると、
使い込まれた本が顔を覗かせた。

将棋学習塾ですけどね。
はっきり言うと、将棋の土台を作るっていう、
そういう塾ですね

『駒落ち定跡』は全部暗記するのでしょうか?

はい、これを八枚落ちから
上手香落ちまで。
それをね、一区切りずつ
並べて覚えてもらって。
テストするんです。

膨大な量ですね。

本を見ずに並べ終えたら、
詰将棋、
そして生徒同士の対局と。
だいたいその三部構成で。
時には、次の一手問題とかも
しますけれども。

これを全部覚えると、
アマ強豪、奨励会受験の
レベルになるのでは
ないでしょうか?

将棋の手筋が
いっぱい身につきます。
これをきちんと。
結構ね、地味な学習なので、
この定跡学習を嫌がる子はね、
だいたいやめていきます。

将棋が本当は
好きではない
ということですよね?

遊びながらただ指したいとかね。
これが出来ないと
ウチの教室は続かないですね。

塾と一緒なのですね。
これをしないと
全然成績上がらないのにと。

この本を購入していただいて
棋譜を並べながら覚えてもらう。
合格したら詰将棋、
次回来た時は、次の内容を。

そんなにすぐに覚えてしまう子が
いるのですか?

いますね。
家でやって来る子はね、
すぐ合格しますね。
幼稚園児でもね、できますんで。
聡太もね、これを1年ぐらいで
卒業したかな。
これをやらないと
昇級戦は手合い割ですから、
上手に勝てない。

駒を落としてもらっているのに
弱点を責められないというワケですね。

これは必須ですからね。
将棋の手筋が
詰まっていますからね。
だいたい、将棋の土台、
『基礎を教える』というのは
一番大変です。

藤井聡太先生は、
いつから来られたのですか?

聡太は年中の5才やったね。

小学校入るか入らないかくらいで、
駒落ち定跡を終えられたのですか?

年長で終わったね。

それはやはり早かったのでしょうか?

早いね。
3年とか何年もかかる子も
いるもんね。

これが終わったら
『羽生の頭脳』というのは
同じように……。

一区切りのところまで覚えて
テストするという。

私も小学校の時に
買っていました。

今は文庫本だけですかね。
プロも参考にしていましたよね。
『東大道場』というシリーズがあって、
これもなかなかいいんだけれど、
なかなか手に入らないね、
中古本でもね。
ボロボロになっちゃって。
二十年くらい使っています。

文本先生はおいくつですか?

63です。
20年前なので43くらいから始めて。
羽生さんが20代の時だったから。
ふみもと将棋教室入り口
段級位表
ふみもと将棋教室を伺って
すぐ気がついたことがあります。
生徒の皆さんは、
教室に来た時には
誰もが大きな声で
「文本先生、池田先生、
〇級の〇〇〇〇です。
今日一日宜しくお願いします」
と挨拶します。
そしてよく見ると、
どの生徒さんも駒をキレイに並べています。
一般的にはプロであったり、
アマチュアでも
一定の棋力の持ち主でないと
なかなか駒の置き方まで気が回りません。
特にまだ将棋を始めて間のない時期だと
勝負に熱中してしまって
駒が歪んでいることは珍しくありませんが、
それほど駒の並べ方が印象的でした。
これは、勉強でいえば、
机の上の本やノート、筆箱をキレイに
並べていたり、ノートに書かれている字が
とてもキレイといったところでしょうか。
また、座っている私の前を横切る時には
「失礼します」と一声かけてからといったように、
ふみもと将棋教室に通う
生徒の皆さんは礼儀正しいのです。
そして一日の最後には、
みんなが正座になって
「今日も一日ありがとうございました」
と手をついて先生に御礼を言います。
これは文本先生、池田先生、
両先生の指導の賜物に違いありませんが、
藤井聡太先生が誕生した
理由の一つがわかったような気がしたのです。
それと比較すると、
私の塾はまだまだダメです。
何の連絡もなく、
遅刻したり、振りかえの分だと
勝手に来たりする生徒がいます。
塾を辞める時に
何の連絡もなく
やめる生徒も毎年必ず数人います。
一時、社会人に勉強を教えていましたが
社会人でもそういう人が複数名いたので
暁塾は社会人に勉強を教えることをやめました。
私ももう41歳で
立派な加齢臭の漂うオッサンです。
これからふみもと将棋教室を見習って
塾の質を高めるようにしていきたいと思っています。
続きは明日以降に少しずつアップします。
ホームページが
新しくなったばかりで使い慣れておりません(笑)。
増田裕司六段のインタビューはこちら
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