高2の3学期末のテストで学年ビリだった私ですが、いくら不治の病にかかっているからといって、「アイツって成績が悪い奴だったな」なんていうような思い出され方は嫌だったので勉強することにしました。ただ、中学の時のようにガムシャラにはしませんでした。お恥ずかしながら、それだけの熱意も学力もなかったのです。その時、「将棋の勉強の仕方を応用できないかな」とひらめきました。高校生になるとあまり指さなくなっていたのですが、それまでに一生懸命取り組んだ将棋からなにかヒントがないものかと思ったのです。将棋に関していうと多くの戦法を勉強するよりも、特定の2、3の戦法ばかり指したり、家で研究していたりすると、それだけで他の対戦相手よりもその分野に関して詳しくなり有利になります。そこで、3年生最初のテストは、春休みの宿題から中心に出題されることがわかっていましたから、宿題だけ取り組むことにしました。取り組むといっても正確にいうと、まったく問題を解きませんでした。なにしろ、解けるだけの知識がなかったのです。そこで、解答が書かれたページを見ながら、なぜその答えになるのか考えることにしました。いや、それも不正確で考えることさえしていませんでした。たとえば英文法も数学の問題も教科書や問題集などと照らし合わせて似たようなパターンを見つけていきました。つまり、こういった問題が出されたらこうするという風に覚えたのです。将棋でいうと、この局面なら自分はこう指すという風に五手くらい先まで読んでおいたのです。そうすると、ほかの局面でも応用がきくようになったように、やがて問題や解答の意図することがわかるようになりました。将棋に限らずどのようなことであっても上達には 一定の法則があるのだと思います。私の場合は、それがたまたま将棋だったわけですが、皆さんそれぞれ得意なことにあてはめればうまくいくと思います。確かテストは90番台になり、ビリから脱出したことにホッとしましたが、また不治の病のことで頭がいっぱいになったのでした。