暁塾は、単に勉強を教える場ではありません。生徒各自が、社会人になっても通用する勉強方法を確立することをめざしています。つまり、生徒が自宅でも自分で考えて勉強できるように生徒のレベルに合わせて勉強の仕方を進めるところが他とは違う部分だといえるかもしれません。こういった指導方法に行きついたのは、私がまだ中学生だった時の経験からです。当時通っていた塾のほうが、学校よりも一歩先に授業を進めていたのです。そうすると、学校での授業では、既に知っているものをもう一度習うということになるので、「もうわかっている」という部分は、学校の先生のお話を聞かずとも良いということになります。そうは言っても、一応、私は授業を聞いていたわけですが、子供ながらに、この時間はムダだと思っていました。また、塾では毎回小テストがありました。同じ内容のモノをみんなが一斉に受けて、次の授業で解説してもらっていました。しかし、いくらレベル別でクラスを分けているからといって、わかっている問題とわかっていない問題は生徒それぞれ違います。 そうすると、隣の席に座っている友人にとっては解説が必要な問題であっても、私にとっては不要の場合もあります。逆もまたしかりです。ここにも明らかに時間のムダがあります。もう一つ大きな点は、授業を受けているのは座っているだけという場合も多いのです。塾に通うというのは学校のテストや志望校に合格することを目的にしている生徒がほとんどだと思います。 そうなると、ポイントを聞いて黒板の字をノートに写して、例題を1問、2問解いて家に帰るその時間だけではテストの点数に結びつくモノはさほどありません。 私が通っていた塾のような形式であれば、家で宿題を解き、それでまだ理解不足ならば、自分で課題を見つけて問題を解かないと得点には結び付かないのです。それに気づいたのは、通っていた塾の大半を占める中学生は私が通っている中学校とは違ったためでした。 塾の授業は他所の中学校のカリキュラムに合わせて進められていたので、今度の学校のテスト範囲ではない部分を塾用に自分で勉強しなくてはならないことがありました。 反対に、学校で習っているけれども塾では習っていないから、自分で勉強しなくてはならない単元があるといったように、学校と塾の学習内容について濃淡があったのです。 私の普段の得点の源が塾に通っている時間にあるのならば、塾で習っていない内容については点数は落ちるハズですが、結果はそうではありませんでした。 その中学時代に採った方法は簡単で、学校の先生のお話を集中して聞き、家でその内容の問題集を解くということです。 暁塾に入ろうかと相談に来た生徒に「今、学校で何を習っているか」と訊ねてムニャムニャと口ごもるケースは多いです。 学校の先生の授業を聞かずに塾で一生懸命勉強しようとする生徒は多いですが、それではいけません。 学校の先生の話を聞いてわからない部分を塾で質問するほうが理にかなっています。教え方のウマイヘタはあるかもしれませんが、学校の先生のお話を聞いて全くわからないということは少ないと思います。 「先生はここまで授業をされたいんだな、けれども、生徒たちの反応が鈍いから仕方なくここまでにされているのだな」と授業中の先生の心理状態まで読めるようになればシメタものです。 塾のおっさんである私が言うのもなんですが、学校の先生のお話を聞いて、自宅で勉強でき、高得点を取れるようになれば塾に通わなくとも十分なのです。ただし、自分で勉強しようと思っても一つ問題があります。どの問題がポイントでどの問題がポイントでないかなかなかわからないことです。 それには理由があって、①その内容を理解するに十分な基礎知識がない。②基礎知識はあっても、学校のテストで100点近い点数を取ったことがないので、どの部分をどのくらい勉強すれば高得点になるのか知らない。 前者のケースでいうと、高校生であっても中学時代の内容についてよく理解が出来ていないから間違っているということはママあります。 英語や数学などは特にそうですが、知識の積み重ねがあって初めて、いま習っている単元の公式や文法がわかるということも多いのです。 だから、高校生が目の前にある問題を紐解くと、もうずいぶん前に習っている内容に結びついていた、なんてことも多いのです。 中学と高校の勉強は密接に関係しているのです。 後者のケースであれば、先ずこの事実を知っておくことが大切です。「あの子はメッチャ賢いなあ」と学校で噂されている生徒であっても学校の問題集が全て解けているワケでもありません。 1問か2問くらいはわからない問題はあるのです。 ただし、そんな時でもきっと自信を持って毎回テストに臨んでいると思います。 なぜかというと、それは「自分がわからないのなら、他の誰もほとんど出来ないだろう」ということが多かれ少なかれ潜在意識のなかにあるからです。また、次のような違いもあります。勉強が得意な子は、どこがわかっていないのかわかっていることです。質問の仕方は「コノ問題のコノ部分がわかりません」といったように具体的です。 反対に入塾したばかりの勉強が苦手な子は「ココがわかりません」と言って指を指した先は、問題そのものといったことが多いです。 これは、なんだか体の調子が悪いといった時にどうするのか、といったことと似ています。耳の調子が悪いとわかれば近所の耳鼻科に行けばいいですが、どこが悪いのか、手がかりがなければ、先ず、総合病院に行って、アタマの先から爪先まで色々と調べないといけないのです。 ふもとからは頂上への道筋が見えないので、どういけばいいのか、不安に駆られて何を信用すればいいのかわからない状態に陥っているのです。 そんなこともあり、中学生や高校生の時点で、4つもはたまた5つも塾を変えてわが暁塾に来たなんていう塾の渡り鳥ともいえるケースもありますが、あまりキョロキョロしていると、時間が足りず、7合目までにしか到達しなかったなんてことになりかねません。 これはとても勿体ないです。 そういったこともあり、この暁塾に来るつもりがあるのならば、先ずは卒業まで安住してもらうようにお話ししています。 今までの勉強の仕方をイチから変えてもらって自分で効率良く勉強を進められる力を手に入れるお手伝いをしたいと思っています。 また、思春期なので生徒によっては勉強が捗らないのは学校の先生であったり、塾であったり、親であったり、周りの人に原因があると考えて話を聞きに来るケースもあるように思います。 『あなた一筋』といったように、片目を瞑って、多少ガマンしないといけない場面もあることでしょうが、将来でも役に立つ勉強法をコツコツ地道に積み重ねてもらうようお話ししています。 こういうと笑う人もいますが、だいたい、全治半年から1年で勉強方法を確立して、暁塾に来る前よりも良い成績を修めるようになる生徒が多いです。 私は中学時代から同級生に勉強を教え始め、大学時代には家庭教師、塾を始めるきっかけとなった時期にはトライさんのプロ家庭教師として、そして暁塾を開校して10年が経ち、今では「個別指導のなかでは珍しいですね」と言われるほどの指導生徒数と期間になりました。けれども、毎日試行錯誤の日々です。もし、本当に成績を上げたいのならば、暁塾の門を叩いてみてください。北風よりも太陽を目指していますが、成績アップだけでなく、勉強方法の確立するためのお手伝いも出来ると思います。