大阪府立高校受験の仕組みを押さえよう チャレンジテストと内申点の関係などふくめて 大阪府立高校入試の仕組みを解説します。 合格順位はどう決まる? 先ず、合否判定は中学校3年間の 「調査書の評定」が用いられます。 それは、内申点と当日の入試に行われる学力検査の2つです。 それぞれ450点ずつの配点で、 合計900点満点の得点数で合格順位が決まります。 調査書の評定 評定がつく教科数は全部で9つあり、 各教科は5段階評価により行われます。 たとえば、オール5であれば 9教科×評定5となるので45点満点になります。 中学1年生・2年生はこの得点、 つまり今回だと45点が2倍されるので、 それぞれは90点になります。 3年生だと6倍になり、最大で270点です。 1年の90点、2年90点、3年の270点で 3年間で450点満点となります。 学力検査 学力検査は各90点満点です。 5教科を合計すると90点×5科目なので 最大450点になります。 なお、内申点に使われるのは 2月15日時点の成績で、 1、2学期は当該年度の 途中の成績のため注意が必要です。 入試・内申のウエイト 上記に述べた内容が 基本的な高校入試のシステムですが、 高校によっては 『内申点』と『当日入試の倍率』が 異なる場合もあるので注意が必要です。 基本的には5つのタイプに分かれます。 北野高校や天王寺高校などは 当日入試重視型 (Iタイプ)のため、 当日入試 が1.4倍になります。 そして内申点は0.6倍に。 仮に入試で450点満点を取った場合は 1.4倍をかけた630点。 内申点は3年間オール5でも 450点ではなく270点になります。 反対に鶴見商業高校などはⅣタイプで 内申点の倍率が高いタ イプで、 当日入試は0.8倍、内申点は1.2倍です。 願書と一緒に提出する自己申告書って? 総合得点で合格順位が決まる 仕組みは以上の通りですが、 その上でもう一 つ押さえておきたい ポイ ントがあります。 それは入学願書と一緒に提出する 「自己申告書」です。 自分の総合点が合格ラインつまり、 合否のボーダーラインだった場合、 この申告書が役に立ちます。 募集定員100人の高校に、 130人が受験 したとする。 通常なら総合点での受験システムでは 総合点で100番以内に入れば 合格するはずなのですが、 府立高校の受験システムは 合格ラインの前後10%を ボー ダーゾーンと考えています。 つまり、総合点で90位までに入れば 無条件で合格しますが、 前後10%の範囲である91位から110位は 学力的に合格者と同じと見なされ、 この20人のなかから残る合格者10人が 選ばれるようになっているのです。 その際に基準となるのは、自己申告書です。 各高校の校長が申告書の作文を読み そのなかで『この生徒はぜひわが校へ』 という生徒を選びます。 各高校でどんな生徒を求めているかは 毎年7月にホームページにアップされる アドミッションポリシーを参考にしましょう。 チャレンジテスト チャレンジテスト一回で内申点が決まることはありません。 2016年から大阪府がチャレンジテストを導入しましたが、 本来の目的は通っている中学校に関わらず、 内申が適正に評価され、 高校入試が公平に行われることです。 各中学校、各クラスの通知表の 不公平、不適正な成績を修正、 調整するために使われています。 チャレンジテストの結果が 通知表の五段階のどれになるかを 決めているのではなく 教科の担当の先生が決めておられるのです。 チャレンジってその結果を使うことで 教科の先生方が極端な評定を出さないように、 同じ物差しで成績をつけられるようにする 目安にしているのです。 調査書の評定は学校でのテストや 授業などの学習状況を見て、 各学校の判断により決まります。 チャレンジテストは それぞれの学校の評定が 正しく行われているかどうかを確認する為です。 当たり前ですが、 チャレンジテスト前の日だけ 一生懸命勉強するのではなく 日々の勉強が大切だと いうことになります。 志望校によって入試と内申点のウエイトが変わります。①学力検査の成績にかける倍率 ②調査書の評定にかける倍率 ③学力検査(満点) ④調査書(満点) タイプⅠ 北野高校、天王寺高校、大手前高校、三国ケ丘高校など ①1.4倍 ②0.6倍 ③630点 ④270点 タイプⅡ 清水谷高校、旭高校、東淀川高校、吹田高校など ①1.2倍 ②0.8倍 ③540点 ④360点 タイプⅢ 桜宮高校(普通科)、守口東高校、西寝屋川高校など ①1.0倍 ②1.0倍 ③450点 ④450点 タイプⅣ 鶴見商業高校、懐風館高校、福泉高校、美原高校など ①0.8倍 ②1.2倍 ③360点 ④540点 タイプⅤ 該当なし ①0.6倍 ②1.4倍 ③270点 ④630点