私は高校生のとき、宇都宮大学のGSC(グローバルサイエンスキャンパス)に 参加しており、量子力学の研究をしていました。研究発表のためにアイルランドに行き、多くのすばらしい研究をなさっている先生者を見て、「私も研究者になりたい!」と思うようになりました。関大に入学してから、まだ研究が発展途上であった中世北欧史を専攻することを決め、現在多くの先生方のお力を借りて研究しています。北欧史は日本において未だに研究者が少なく、世界的に見ても未解明な課題を多く抱えるテーマのうちの一つです。そのため、私自身が研究していくことで、今後の未来に活かぜる研究を日本から発信、寛容し、北欧との架け橋のような存在になれたらいいなと思っています。「歴史は何の役に立つのか」と、この忙しなく’’実用性’’が求められる現代社会において、考える人は多いのではないでしょうか。確かに、それこそ物理学や医学のように、歴史はすぐに人の役に立つものではありません。しかしながら、歴史は我々人類が未来をよりよいものにしていくためのスタディケースです。研究を重ね、 当時の様子を明確にすることで、私たちが生活の一部、そして多くの場面や人生全体を通して比較検討の材料にすることができます。「すぐに役に立つものは、すぐに壊れてしまうよ」と、私がお世話になった関大の先生はよくおっしゃっていました。歴史はすぐに役に立つことはなかなかありません。だからこそ、人々は歴史に思考を重ね、人生を通してその有意性をかみしめ、見出していくのではないでしょうか。今後私は、大学院にすすみ、自身の研究をより深めていこうと思います。関大で提供された多くのアカデミックな教育に感謝し、今後もそれを忘れずに精進していこうと考えています。※関大前教室でインタビューNo5(暁塾の卒業生ではありません)